今回から株式会社の作り方を8stepでご説明します。
会社設立の手続きを自分で進めるなんてハードルが高いと思われるかもしれませんが、基礎情報さえ固めてしまえばあとは定型に当てはめていくだけで簡単に株式会社の設立書類を作成することができます。
会社設立は、個人事業主の節税方法としては最も効果の高い方法のひとつです。
今回は個人事業主からの法人化を想定して、一人株主、一人取締役のシンプルな株式会社の作り方をレクチャーします。
株式会社設立フロー
基礎情報を決める
まずは株式会社を設立するための基礎情報を固めます。
ここで決めた情報を基に定款や登記書類を作成していきますので、逆に言うとこれさえ決まってしまえば、あとは定型書類の作成と事務手続きのみで会社を設立することができます。
株式会社を設立するためにまず決めなければならないのは以下の項目です。
・会社名
・本店所在地
・会社の目的
・資本金の額
・発行可能株式数
・取締役の数
・取締役の任期
・会社設立日
・事業年度
株式会社設立では非常に重要なステップですので、細かく説明しておきます。
会社名
会社の印象がここで大きく変わるため、株式会社の設立では最も重要な項目の一つです。
○○○株式会社か、株式会社○○○というように、前後のどちらかに株式会社を付ける必要があります。ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字いずれも可能ですが、記号の使用には制限があります。
同様に、ここで英語表記の場合の表示の仕方も決めておきます。○○○ Inc.や ○○○ Co.,Ltd.などの表記方法がありますが、どちらも株式会社という意味です。アメリカ式やイギリス式で違うという程度ですので、語呂がいい方で選んで差し支えありません。
今回のstepでは以下のように決めておきます。
会社名:株式会社アクシードタックス
英語表記:AXCEED Tax Inc.
本店所在地
事務所や店舗を借りている場合には、賃貸借契約書に記載されている住所、ご自宅の場合には住民票に記載されている住所を会社設立時の本店所在地とします。
ここでの注意点は、ご自宅の住所とする場合、印鑑証明書に記載されている住所の表記とまったく同じにする必要があるという点です。Step2で印鑑証明書を取得するのでここではまず保留としておきましょう。
住所:東京都渋谷区節税町1丁目2番3号アクシード税理士ビル8階
会社の目的
会社設立時の定款や登記書類に記載する、会社の目的を列挙します。会社は基本的に定款で定めた事業以外は行うことはできません。
そのため今営んでいる事業だけでなく、今後やる予定の事業もここで列挙しておく必要があります。
ただし、あまりにもたくさんの事業を載せてしまうと何の会社かわからなくなるので、ほどほどがいいと思います。
書き方にもルールがあり、曖昧な書き方だと登記できないこともあります。
会社の目的を決めるのにいいサイトがありますので参考にしてみて下さい。
イー目的ドットコム
http://www.e-mokuteki.com
会社の目的:
- 経営、会計、財務及び労務に関するコンサルティング業務
- 会計帳簿の記帳・財務書類作成業務の請負
- 企業の合併、提携、再生、財務健全化に関するコンサルティング業務
- 国内外における不動産の投資、運用、管理及びコンサルティング
- ウェブコンテンツの企画、制作、コンサルティング及びメンテナンス業務
- インターネット等を利用した各種通信販売
- 前各号に附帯する一切の業務
資本金の額
1円から設立することができます。
ただ1円で設立してしまうと、初期のコストを支払う前に会社のお金がなくなってしまい、すぐに社長借入という形で会社にお金を追加しなければならなくなります。
資本金をいくらにするかは自由ですが、最初一ヶ月くらいの運営コストをまかなえるくらいはあったほうが無難です。
また税理士の視点からすると、資本金が会社設立時点から1,000万円以上あると、設立第一期から消費税を納める義務が生じるため、999万円以下での設立をお勧めします。
資本金の額:100万円
発行可能株式数
これは特に深い意味を考える必要はありません。
定款に記載する必要があるという程度で抑えておいてください。
例えば設立時の資本金の額が100万円、発行株式数が100株であった場合、発行可能株式数が100と定めてしまうと増資ができないということになります。
定款は登記変更で修正可能ですが、事業の拡大に伴っていずれ増資をする可能性があるとしたら、設立の時点である程度余裕を持って設定しておきましょう。
発行可能株式数:1,000株
取締役の数
定款に記載するために会社に置く取締役の数の制限数を定めます。
◯名以内や、◯名以上などと記載します。
特に制限を設けない場合には1名以上という書き方でも問題ありません。
取締役の数:3名以内
取締役の任期
最長10年とすることができます。
10年と定めたからといって途中で退任できないわけではありません。
任期が満了すると、そのまま取締役に留任する場合でも改めて重任登記をする必要があり、登録免許税を支払わなければなりません。長めに設定しておきましょう。
取締役の任期:10年
会社設立日
特に決まりはありませんが、法務局への書類提出日=会社設立日となるため、土日祝日とすることはできません。数字にこだわりがない場合には大安で選ぶ場合が多いようです。
会社設立日:6月12日
事業年度
決算月を何月にするかということです。たとえば3月決算であれば、4月1日〜3月31日がその法人の事業年度ということになります。会社設立1期目は設立日が月の中途であったりする場合もありますが、例えば6月12日設立で、決算月が3月だった場合、第1期は6月12日〜3月31日が事業年度になります。
決算月を決めるポイントとしては2点、繁忙期を避けることと、できるだけ第1期を長めに設定することです。
法人は基本的に、決算月から2ヶ月以内に税務署に対して確定申告書を提出しなければなりません。税理士に申告業務を依頼する場合にはそれほど手間にはなりませんが、それでも資料を準備したりする時間が必要になります。本業で手一杯になる時期は避けて決算月を決めた方がいいと思います。
もう1点、できるだけ第1期を長めにする意味は、短めにすると上記の確定申告書をすぐに提出する羽目になるからです。事務手続きが増えて面倒ですし、税理士に依頼する場合にはその分確定申告書の作成報酬が必要になってしまいます。実は消費税の観点もあるのですが、長くなりますのでここでは割愛します。
事業年度:6月1日から5月31日(設立初年度:6月12日から5月31日)
これで株式会社の基礎情報の設定は完了です。
一人株式会社は作り方さえわかってしまえばあとは簡単なのですが、役員や株主が複数の場合や、取締役会を設置する場合、現物出資により設立する場合には他にも少し決めなければならないことがあります。
そういった場合の株式会社の設立方法を詳しく知りたい方は無料フォームよりご相談下さい。
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